日別アーカイブ: 2019年12月30日

ヘルシンキ 11/24・午後

ヘルシンキ2日目の午後。

午前中、フィンランドについて目いっぱい取材させていただき、いろいろなことが頭を巡ります。20年前、フィンランドに移住すればよかったなぁ…なんて思いも頭をかすめましたが、日本人として日本でできることも、まだまだあるはず!と。

午後はマリメッコ本社へ。取材ではなく併設のアウトレット店が目的です。この日、日曜日だったので社員食堂がお休みでしたが、平日だと社員さんが利用する社食を一般客も利用できます。

地下鉄で6駅だったか…中央駅から12分程の駅。そこから徒歩で10分もかからないところにあります。

 

11月、行った時は本社の一部を工事中で入口が分かりにくく、ウロウロしてしまいました。。。

最新デザインや定番が紹介されているコーナーとアウトレットと別れています。

ここは定番と最新のもの。

 

生地も豊富にあります。アウトレットは20% 〜30%の割引。

 

定番、ウニッコ柄。

 

こんなデザインも。北欧的?かも。水玉とも少し違う丸の連続柄。キヴェット(石)というシリーズ。このキヴェットシリーズはフィンランド航空の機体や機内小物にも使用されています。

 

マリメッコ本社を後にして2泊目のホテルへチェックイン。ホテル・ハーヴェン。シックな雰囲気、リラロバーツよりもこちらの雰囲気が落ち着いていて、私には心地よかったです(個人的好みです)

 

 

バスルームはシックな雰囲気。

 

こちらのホテルは海に面していて、お部屋が海側・町側で選べるのですが、なんとお代金が倍も違ってビックリ。よって町側を選びました。それでもそこそこの価格です(^^;)

日曜日の宿泊、しかも11月は宿泊客が少ないせいか、町側の中でも海方面が少し見えるお部屋でした。おそらく格上げしてくださったようです。

この日の最後はクリスマス・パレード。ストックマン(百貨店)のある通りから絵スプラナーディー通りへ楽隊やサンタさんを乗せたトラック、消防車の列がゆっくりと進みます。通りには沢山の観覧客。この日の気温は0℃、雪はないですが空気は冷たいです。

 

 

ヘルシンキの街中で地元住民の方に紛れて1ヶ月早いクリスマスを堪能しました。

 

 

ヘルシンキ 11/24

ヘルシンキ滞在2日目。サンクトペテルブルクよりも緯度が高いので朝が遅いです。9時半頃に薄明るくなる感じ。朝食の時間は夜のように真っ暗です。

リラロバーツの朝食は隣接のレストランのビュッフェ、朝から彩り豊かなメニュー、旅先で朝食はたっぷりいただきます♫

 

フィンランドは黒パンが多いです。ライ麦を使用していることやモラセス(砂糖を精製する時に出る茶色の蜜)を使用していたり。フィンランドの黒パン、コクがあって風味豊かで美味しいです。

食器のデザインはクラウス・ハーパニエミさん。伊勢丹さんで知ったフィンランドのイラストレーターさんで、その世界観が好きです。フィンランド現地で出会うと嬉しくなります。写真はボケましたが、大きなカップ、素敵なデザインです。

 

食後、チェックアウトして一つ目の予定、現地在住日本人の取材を。建築家であり在芬40年にもなるKさん。「フィンランドがなぜ心地よい暮らしなのか」という疑問の元、社会システム、政治経済、暮らし、建築などお伺いできる範囲で聞き取るという取材。

私ごとですが、20年以上前にフィンランドに移住しようと思ったことがありました。EU加盟前と後に5回ほど。そのうち一回はラップランドのイナリ村という最北端の村にショートステイ、素敵なホストマザーと料理をしたり福祉システムについてお話ししたり。週末には家族で湖畔の別荘へ行き、湖で泳ぎ、焚き火でソーセージや魚を焼いていただく暮らし。冬に再訪した時は長く暗い夜(黒夜)の生活、厳しい冬の自然と暖かい人々の暮らしを体験しました。英語が堪能でなかったため、社会システムの細かいところまで理解しきれませんでした。そして、移住したい気持ちはありましたが、日本での仕事(前職の通販バイヤー業)にやりがいを感じ、移住を見送りました。その後、フィンランドから離れていましたが、時を経ての再訪、今回改めて「フィンランドは当時から変わったのか、福祉社会はなぜ成り立つのか」を知りたい、と。

時間いっぱい取材させていただき、最後にカフェでお茶をいただき、フィンランドの今を少し垣間見ることができました。

カフェ・エスプラナーディでシナモンロール。フィンランド流はアメリカと少し違う横巻きロールが定番です。

Kさんがすごいのは建築家という域を超えて、社会システムを細かく説明してくださったこと。フィランド、汚職が限りなく少なく、合理的だけど人間的な社会、その根本にあるもの。日本にはないもの…。

税金が高くても、学費は大学まで無償、セイフティーネットがあるから安心して暮らせる社会、税金の使用用途が見えていて、自分たちもお世話になったから税金が高くても支払おうと思える、というKさん。

残業すると会社が支払う税金が高くなるそうで、「残業するなら人を雇いなさい」というシステムになっているのだそう。終身雇用制ではない分、役割がはっきりしていて個々に上げるべき成果が見えていて、転職は当たり前。ドライな面もあります。成果がなければ交渉の末、解雇も当然、と。

日本とフィンランドの違いを改めて感じました。フィンランド、合理的だけど、人間的で自然と人が近い暮らし、未来に希望が持てる社会。資本主義の中で可能性を感じる国です。全てが成功しているわけではありませんが、人口約550万人なのでダメな政策と思ったらすぐに改善する、良いと思う政策があればすぐに試してみる、フットワークが軽いこともフィンランドの素晴らしい部分です。

日本は島国・小国と言いながら、1億2000万人以上のある程度の規模と歴史ある国、身動きが取りにくい状況。未来に向けてどう舵を切るのか。フィンランドの仕組みを、そのまま日本に取り入れることは難しい。反面、島国で単一文化だからこその良い部分もあります(単一と言い切れない部分もありますが…)。海外に出ると日本の良さを感じることも多いです。

フィンランドで取材をしながら、色々考えさせられました。そしてすっかり文字だらけの超長文になってしまいました…。

この日の午後はマリメッコへ。一旦切って次の記事へ。

 

 

 

サンクトペテルブルクからヘルシンキへ(11/23)

サンクトペテルブルクの事業を終えて11月23日にヘルシンキへ移動。サンクトペテルブルクのプルコヴォ空港へ。14時発、ヘルシンキのヴァンター空港へ1時間弱、ですがヘルシンキは1時間の時差があるので、出発と同じ14時に到着。 

20年弱ぶりのヘルシンキ。市内までスムーズに行けるか不安でしたが案内表示がわかりやすく、列車に乗って市内の中央駅へ30分で到着。

チケットはホームに設置されている自販機、クレジットカードで購入可能です。エリアごとに価格が変わるので、ヘルシンキ中心部のA〜空港周辺のCの「A・B・C」を購入、4.6ユーロ。黒い画面の写真は自販機のエリアを選択する部分の画面。

 

中央駅からホテルまではトラムを使用。空港からの列車と同じチケットでトラムも乗車できます。「A・B・C」チケットは80分以内ならトラムやバスにも乗れます。細かくいうとチケット購入時間から80分以内に乗車すればOK。

ヘルシンキ二泊ともお試しで4つ星ホテルを予約。リラロバーツとホテル・ハーヴェン。パリの4つ星なんて高くて泊まれないけど、ヘルシンキの4つ星はお手頃です。土日の宿泊でも手の届く範囲だったので今回ご褒美的に…。

一泊目のリラロバーツ、モダンなデザインのホテルです。ロビーが洗練されたデザイン、部屋は思ったより狭かった!笑

 

 

部屋はシングル予約だけどダブル。ベッドの高さが高いです、大きめのスーツケースですが、それよりも高さがあるのです。寝るためにベッドによじ登らねばならないですし、転げ落ちたら大変。笑

 

ホテルからメイン通りも港も徒歩で行けます。まずヘルシンキ大聖堂へ。11月ですがサンタクロースに遭遇。子供たちと写真撮影をしていました。

 

街はクリスマスムード一色です。エスプラナーディー通りの港側でクリスマスマーケットが開催、焚き火がたかれホットワインが売られていて暖かい雰囲気でした。フィンランドならではのククサ(白樺の木をくり抜いて作るカップ)、それにトナカイのツノも売られています。

 

街中のショーウインドウにはサンタさん。リアルな人形のディスプレイは老舗チョコメーカー「ファッツェル」のもの。ファッツェル・カフェではチョコレートギフトはもちろん、生ケーキもあり甘い世界を楽しめます。

 

マリメッコも一等地にお店があります。ケシの花のデザイン「ウニッコ」柄は日本でも有名ですが、1964年にデザインされた50年以上の歴史あるデザインです。赤が一般的だけどシックな黒のウニッコ柄が新鮮でした。

 

この日の最後はストックマン(百貨店)の食品フロアへ。さらっと周っただけですが。日本の下町、飲み屋街をイメージしたような??イートインスペース。

ケーキの写真はファッツェル・カフェの生ケーキ、ストックマンのケーキ屋さんはもう少し大衆っぽかったような…。ベリーケーキが多い様子。北欧ならでは?です。

 

 

 

 

 

サンクトペテルブルク 交流事業・6(11/22 )

交流の最終事業、和食ワークショップとサンクトペテルブルク市への3枚目のアートクッキー贈呈。和食職人さんは札幌市の若手の方。前回の会合で「和食の技術をサンクトペテルブルク市へ伝える」という要望があって実現。ですがEU圏と違い和食食材を揃えることに難儀、日本から持ち込む食材や調味料は膨大、職人さんも初めての場所で和食を作るのも大変、色々と準備段階から拝見して参考になりました。

当初、会場はユーラシアというロシアで一番大きな飲食チェーン店でのレストランを想定していましたが、営業時間その他の条件により急遽ショールームでの開催となりました。厨房機器などが違うので動線も気になりますし、私が講師ならかなり焦りますが…。

ショールームは厨房機器やグラスや器類を紹介・販売する施設、民間施設のようですが入り口でセキュリティチェックがありロシアならでは?です。

 

現在のサンクトペテルブルクはヨーロッパの大都市と変わりません。厨房機器や機材、食器などスタイリッシュで素晴らしいもの、共産主義時代の面影は感じませんでした。場所によると思いますが。

札幌の和食職人さん、サンクトペテルブルク市の広報担当さん、北海道庁・サハリン事務所の所長さん。斜め遠目の写真の女性、飲食チェーン・ユーラシアの社長、アーティストのような雰囲気で素敵な女性でした。

 

ワークショップは招待客のみ、サンクトペテルブルクの行政担当者、ユーラシアレストランの経営陣とシェフ、メディア、北海道庁職員と民間代表、コーディネイター、通訳、など。

ワークショップの合間に北海道産食材の紹介と説明なども。

 

職人さんを時折サポート。手まり寿司、揚げ物、焼き物のデモンストレーション。

 

段取りについては微妙なところでした。事前の調整やタイムテーブル、当日の動き綿密な設計が必要ですが・・・残念。税金で成り立つ事業なので開催側の責任があると思うのですが、ここでは言及しないことにします・・・。

最後にサンクトペテルブルク市の広報担当女性へアートクッキーを贈呈。無事3枚目をお渡しできて一息。サンクトペテルブルク日本文化センターさんも同席してくださりアートクッキーに興味を持っていただきました。

 

最後にスタッフの方々と乾杯。ユーラシアレストランのシェフさん、チャーミング!スパークリングではなくシャンパンでした!

 

ワークショップ終了後、とあるレストランへ。

 

エルミタージュ美術館や市役所のすぐそばに立つロッテホテル。その和食レストラン「MEGU」。超がつくほどの高級レストランです。政府高官や著名なアーティストが利用することもあるそうです。メニューを拝見したら一人では来れない価格でした(^^;)

札幌の商社でロシア事業でお世話になっているS専務。人脈が広く人情深く、お忙しい中でも細やかに面倒を見てくださる、スゴイ人です。Sさん、せっかく来ただのだから美味しいものをいただきましょう、と。

Sさんと以前からお知り合いのMEGUの料理長は若手の日本人、気さくだけど仕事には厳しい生粋の職人さんです。ロシアで日本食材を集めるのが本当に大変とのこと。輸入食材がコンテナを満載できる量に満たないため、全て空輸=高額です。このレストランでは価格に糸目をつけない方がお客様ということもあり何とか成り立っているとのことですが…。

お酒のメニュー。「CAKE」はケーキではありません。ロシア語はC→SにあたるのでCAKEは酒です。製菓業者として要注意です(笑)

日本人ならほとんどの方が知っている(?)獺祭。純米大吟醸の「獺祭23(720ml ) 」はMEGUさんで49500ルーブル、日本円で約10万円でした。

食材がなかなか揃わないと言われる中でお寿司をご馳走になりました。

事業に参加する前は製造に追われ、サンクトペテルブルクでも毎日バタバタだったので胃腸の疲れ気味、という状況の中のお寿司は本当に美味しかったですし、シャリの状態もベスト、ロシアでこの品質を提供されていることに驚きでした。石板でステーキソテーの実演もしてくださり心もお腹も満足でした。

デザートはクレームブリュレと抹茶アイス、ブラマンジェの桜ジュレ添え。素晴らしいデザートです。桜が入手できたので大切に使っています、と。上品な逸品でした。

料理長としてサンクトペテルブルクに赴任した当初は、ロシア人の働き方が日本人と違いすぎて大変だったとのこと。怠惰と言ってはいけないのでしょうけれど、日本人は時間に関係なく、良いものを仕上げるために時間と手間を惜しみません。がロシアではその意識は通用しない。働き方改革が大変だったと。規定の労働時間に抵触しないように、けれど一切手を抜かないように最高のものを仕上げる、そう仕込んで今の職場がある、と。ロシア在住の日本人はまだまだ少ないですが、このように頑張って和食を伝える職人さんがいることに感動しきりでした。

事業の最後の締めくくり、最後の夜に最高の時間を味わいました。

MEGU料理長のBさん、札幌のSさんへ、心からの感謝。有難うございました。

サンクトペテルブルク 交流事業・5(11/21 )

前の投稿から1ヶ月…12月はクリスマス製造に集中し、クリスマスにパリへ行き、帰国後にようやくロシア交流事業の投稿再開です(^^;)

サンクトペテルブルク市内、移動場所によってはメトロが便利。1号線から5号線まであり、ガイドブックにない駅が新しくできていたので、最新情報は現地でチェックを。

 

1回乗車は45ルーブル、約90円。時間やエリアに関係なく一回分でどこまでも乗れます。自動販売機(もしくは窓口)でメトロ用コインを購入、お財布に入れるとコインと間違えそうです… 。無人改札にコインを投入、バーを下げて通ります。

 

 

ホームまでは地下深くまで続くエスカレーター。結構高速です。人が転げ落ちる事故はないのか?と心配したり…。地下鉄は冷戦時代に防空壕の枠割りを果たしたため、地下深く頑丈な構造だそうです。

ホームに着くと両サイドに扉があり、行き先を確認して乗ります。日本と同じ、反対方面へ乗らないように。列車が到着すると扉が開き、列車の扉が開きます。写真では見にくいですが、転落防止扉です。また、奥に電光掲示板の数字があり、前の列車から次の列車の間隔を表示しています。時刻表はなく、この数字で次の列車の到着を待ちます。

 

メトロのお国柄による違いが興味深いですが、日本のように距離によって細かく金額が変わる方が珍しいと思います。一回の乗車が一律の金額は、ロシアやフランス、他にもあるかと。1回分のコインかチケットを購入する仕組み。チェコは乗車時間によって金額が変わリ、フィンランド(ヘルシンキ)はエリアによって金額が変わります。マレーシアはメトロではなくモノレールですが、行き先により金額が変わり、トークンというプラ製のコインを購入して改札に投入するシステムはロシアと同じ。日本のメトロに慣れていると、多分どの国のメトロも簡単に乗れると思います(^^)

市内のスーパーマーケットの食品売り場へ。出来合いのお惣菜やサラダがショーケースにあり欲しい量をオーダーして購入する売り方はロシアでも一般的。ロシアはビーツサラダは日常食、人参サラダや卵サラダもよく見かけます、一緒に並んでいるとカラフルできれい。

パン売り場にもカラフルなロール。フルーツペーストを数種デニッシュに重ねたもの。

 

ロシアのサーモン。カットされた状態のものをよく見ました。ローストするのでしょうか。他にも干物やお寿司のネタ用のもの、サーモンもよく食べられる食です。

あと興味深いのはロシアの食がヨーロッパ文化とアジア文化の影響を受けていること。シチューやサラダ、肉料理などヨーロッパに近いですが、「ペリメニ」という水餃子があり、ラザニアではなく中国の餃子とほぼ同じ。けれど、食べるときにサワークリームを添えていただくという点でヨーロッパ的?食文化は面白いです。

お惣菜の写真の真ん中辺にペリメニがあります。

 

この日の最後に「血の上の救世主教会」を。サンクトペテルブルクの観光名所。おどろおどろしい名前ですが、アレクサンドル2世が暗殺され、弔うためにアレクサンドル3世が建設したもの。何がすごいって内装の壁画が全てモザイク画だったこと。ガイドブックを読まずに「とりあえず」で入館してびっくり。描かれていると思った壁画、天井も全てが小さな色ガラス(WEB情報ではラピスラズリなどの石も使用とありますが)をはめられたものでした。

 

教会はロシア革命による社会主義体制でソビエト政権により1930年代に略奪され、内装も損害を被り、その後修復されて1997年に公開。修復の様子が教会内に展示されていましたが、相当な労力だったと想像します。

 

色ガラスの製造だと思われますが(ロシア語が読めない…)豊かな色合い、グラデーションを表現するのに多数の色が必要です。絵の具を混ぜて作るのとは違い、1色1色のモザイクを作る、果てしない作業です。アイシングでも同じように色を1色1色作っていくので、何だか共感してしまいます…。

 

 

 

興味あることを書いていくと、つい長くなってしまいます。。。