ペルニークを求めて初夏のチェコへ 1

チェコへ、ペルニーク研究取材の旅、

5月31日〜6月6日、夏至近く日の長いチェコで素敵な出会いがありました。

プラハとパルドビツェ、チェスキークルムロフ、どの町も素敵でした。

 

ペルニークは1300年代に製作していた記述が残り、古くから作られていたチェコの伝統菓子。胡椒(ペッパー)のラテン語にあたる言葉からペルニークといわれていますが、英語でジンジャーブレッドと訳されています。

このペルニークに出会ったのは一年前の6月のチェコ旅。チェスキークルムロフの可愛らしいペルニーク店でした。店内には昔ながらの型押しと現在のアイシングタイプのものがあり、日本語の簡単な説明書があり一気に関心が高まりました。プラハの書店でペルニークのレシピ本を購入、チェコ語で解読不能のまま美しい写真を眺めるのみでした。

その年(昨年)のクリスマスの時期に従来のクッキーをやめてジンジャーブレッドに置き換え、ペルニークで見かけたレース模様を描くことを始めました。ただ、ペルニークのレシピはWEB検索では全く見つからず、北欧のジンジャーブレッドをもとに作っていました。その後ホワイトデイまでの繁忙期を終え、ふとチェコへペルニーク取材にいきたいと思い立ち、現地のコーディネイターさんと連絡をとりチェコ旅を予約。

出発までの間に相当量のメールをプラハ在住のコーディネイター(Yさんとします)と交わし、ペルニークとお菓子に関する情報交換をして取材先を選定していきました。

 

プラハ在住12年歴のYさん、チェコの歴史から芸術、建築、食、アンティーク雑貨に幅広く通じていて知識も豊富、さらに依頼者の意図を理解し熱心に聞き入れてくれる姿勢に感服でした。

Yさんのアテンドでペルニークの事前情報と、他にチェコの伝統菓子「オヴォツニー・クネドリーキ」(フルーツのクネドリーキ)を知り現地で味わうことに。

また、ペルニーク本の著者に会うことが決まり、慌てて一週間前からレシピを解読してペルニークの試作を4回行いました。チェコ語の不思議な文字を1文字ずつコピーしてgoogle翻訳に打ち込み、言葉を解読してレシピを把握。あとは配合の通りに混ぜて感触で調整、4回目にはそれらしいものが出来上がりました。

また、訪問予定先のパベルヤノシュ氏のWEB記事をgoogle翻訳に入れて解読。チェコ語ー日本語はかなり変な訳になりますが、単語から何となく把握し、質問事項を準備。この作業だけでも少しペルニークに近づくことができました。

 

旅の前置きが長くなりましたが、そんなこんなの数ヶ月があっという間に過ぎ、5月31日にチェコへ出発。直行便がないのでエミレーツ航空を使用しドバイ経由でプラハへ。現地14時に到着し旅の開始。しかし通常なら爽やかな気候のはずが30℃近く暑くてびっくり。

旅の初日はプラハ城近くのジンジャーブレッドミュージアムへ。お土産物屋さんが並ぶ石畳の坂にあります。ショーウインドウが可愛いお店です。

店内はジンジャーブレッドが所狭しと並んでいます。どれも可愛いアイシングが施されています。デザインやアイシングの違いで何人かの職人さんが個々のセンスで作られている様子。

棚の下の方にオールドスタイルの型押しタイプがありました。これを買う時に「壁に飾るもので食べることができない」と言われビックリ。「食べるためのレシピと飾るためのレシピ」があるのですね。

ここの平均的なアイシングタイプのものは120~160コルナくらい。日本円で600~800円くらい。現地にしたらお高めの土産物価格です。

 

ジンジャーブレッドミュージアムの近くにコヒノール文具店があります。1790年創業の老舗文具店。色鉛筆がメイン商品(?)でアート感覚の素敵なお店です。色鉛筆のハリネズミくんが可愛い。

プラハ城近くのお土産店の並ぶ坂道と聖ミクラーシュ教会前の広場。

散策しながら坂を下り、日本大使館そばにあるレストランへ。テラス席のある開放的なお店、メニュー数が多くてチェコ料理もいろいろ。

伝統料理のクネドリーキ&グヤーシュ(煮込み)、チェコビール。大皿ですが250コルナ(1300円弱)、ビールは300mlで40コルナ(200円)!

夏至近い6月1日、夜9時は明るく10時頃に日が暮れる感じ。トラムも不安なく乗れます。ホテルはandel駅のすぐそば、ホテルアンデェル。空港行きのバスや地方都市行きのバスターミナルとショッピングモールがあり本当に便利な場所です!