「ナーデルマンハープ」タグアーカイブ

歴史あるハープをアートクッキーに…

ナーデルマン・ハープ、約250年も前 マリー・アントワネットの時代の、初めて拝見したハープでした。

1か月ほど前にお受けしたクッキーギフト、物語の詰まった美しいハープをお菓子で描いて欲しいとのご依頼。以前、ラテンハープを弾いてた身としても、楽器そのものへの好奇心もあり、じっくり取り組みたい作品でした。

いただいたお写真やCDジャケットのデザインを何度も見て、構図を決めてクッキーに描いて。半立体になるように、美しい装飾部分が浮き出るように…

ご依頼主さまやお贈りになる先さまのお名前やお誕生日は伏せるということで、お写真を掲載させていただきます🙏

頭部の巻貝のようなデザイン「エスカルゴ」、ヴァイオリンの先端部分と似ている気がします。ヨーロッパでこの渦巻き型のデザインは美しい形だったのでしょうね。そして蔦のデザインや優雅な曲線も。

左端のグレーのレース部分にはある楽曲の1フレーズを。お贈りになる方のお好きなオペラの曲、ハープの楽譜を拝見して、そのような雰囲気で入れさせていただきました。

ケースにお入れして紅白の糸で結んで完成です。

ご依頼主さまからお贈り主さまへ無事にお渡しできたご連絡をいただいた時、ホッとした気持ちと、このお仕事のさせていただいて良かったという嬉しい気持ちでいっぱいでした。Y.I.さんへ心から感謝です。

ご依頼主さまから後日にいただいたメッセージに、ナーデルマン・ハープのご説明をいただきました。少しだけハープのマニアックな情報をこちらにも。

1700年代のハープはシングルアクションハープという、後の1810年に発明されたダブルアクションハープの前のもの、半音を出すために改良されたハープ。フランスでよく使われ、マリー・アントワネットが好んで宮廷で演奏しパリのサロンで流行したようです。マリー・アントワネットの専任のハープ製作者だった「ジャン・アンリ・ナーデルマン」、改良を重ね装飾を加えて美しく仕上げたハープの制作者、ナーデルマンの製作したものだけに与えられる名称が「ナーデルマン・ハープ」なのです。

約250年も前、フランス革命の中を生き残り、長い間 古城で眠っていたハープが奇跡的に良い状態で発見され、日本に渡ってきた…ハープの長旅を考えると、本当によくここまで辿り着いたなと感動します。

ナーデルマン・ハープが世界に何台残っているのは不明ですが、ヨーロッパの美術館や博物館をはじめ日本にも所蔵品として現存しているようです。その音色の特徴はチェンバロに近いものとのこと。マリー・アントワネットが奏でた音色、時を超えて想像だけが巡ります…

Y.I.さん、この度は素敵なハープのご縁を、ありがとうございました。