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クリスマス・イヴ

師走に入った、と思ったらもう今夜はイヴ。時間が加速しているように感じます・・・

十勝は銀世界、工房の目の前に大きなモミの木があって、天然のクリスマスツリーになっています。

今年は新しいお菓子に挑戦してみました。クリスマスのベラベッカ 。フランス・アルザス地方に伝わるドライフルーツとナッツを使ったクリスマスのお菓子。関西の会社さん一箇所で数量限定、3ヶ月前からドライフルーツを洋酒とスパイスに漬け込んで12月中旬に製造しました。

9割以上がドライフルーツとナッツという贅沢なお菓子(原価が高いっ!笑)、ドライフルーツは洋梨を多めに、イチジク、プルーン、レーズン、杏、クランベリー、オレンジピールを、スパイスはバニラ、シナモン、ジンジャー、カルダモン、アニス、オールスパイス他数種、洋酒はフランスのマルメロのお酒と十勝の甜菜糖から作られたお酒、それにラム酒を、どれだけの素材を使用したのだか!というくらい多品種の素材と旨味を閉じ込めた菓音のベラベッカ 。3ヶ月寝かせたドライフルーツはスパイスの角が取れてまろやかに、洋酒はしっかり浸透しています。これにローストしたアーモンドとクルミを加え、イースト発酵させたパン生地を少量加えて1時間じっくり焼き上げます。この焼いた時に漂う香りは幸せそのもの。スパイスと甘いフルーツの香りが部屋に充満します。

そんなベラベッカ 、来年はもう少し作れるかな・・・。体力勝負の少し大変なお菓子なので無理がない程度に作れたらいいな。

今宵、クリリスマス・イヴ、素敵な時をお過ごしくださいませ。

クリスマスのお菓子を仕込み始めました

9月中旬ですがクリスマスの準備です。今年はベラベッカ というドライフルーツとナッツをふんだんに使ったお菓子をクリスマスに販売します。関西地方で数量限定ではありますが・・・。

ベラベッカ は別名「パンドポワール」(洋ナシのパン)といわれるフランス・アルザス地方の伝統菓子です。秋に収穫した洋ナシをドライにして洋酒に漬け込んで貴重なスパイスを使って焼き上げ、クリスマスに大切な人たちと分け合って食べる、そんなお菓子です。

生地の9割以上がドライフルーツとナッツ、少量のパンきじで繋いでじっくり焼き上げるので原価が高いのが難点ですが、私自身ドライフルーツが大好きなので、同じようにお好きな方へお届けできたら嬉しいです。

まずはクリスマスから3ヶ月前の9月に、ドライフルーツ(洋ナシ、レーズン、イチジク、杏、プルーン、クランベリー、オレンジ)を刻んで洋酒とスパイス(バニラ、シナモン、ジンジャー、カルダモン、アニス・・・など)で漬け込みます。熟成することでスパイスのカドが取れてまろやかになります。

本当に災害が多かった今年、これ以上の災害がなく無事にクリスマスと新年を迎えられますように。想いを込めて仕込みます。

十勝は秋の気配

十勝はお盆過ぎる頃には秋の気配が漂います。

お盆の初日、8月13日には毎年恒例の地元新聞社の大きな花火大会があり、花火が終わると夏が終わる、という気がします。暮らしの中に根付いている花火大会です。

今年の夏は帯広市内の「ときいろファーム」さんに3度通ってラズベリーを収穫。その内の一度は収穫のお手伝い、出面さんデビューしました。朝7時から12時までラズベリーを一粒ずつ手袋をして手摘みします。まさに宝石を扱うような感じ。

ラズベリー収穫が終わる頃には小麦収穫も終わる頃。収穫の帰り道に小麦収穫の跡を横目にしながら…・

収穫したラズベリーのシロップをソーダ割りに。

ラズベリーを使ったお菓子を試作中です。チーズケーキやブラウニー、地元産素材を使いながらズッシリと密度あるお菓子に。オンラインショップで近いうちご案内したいと思います。

十勝、ラズベリーが最盛期

帯広にある「ときいろファーム」さん。自家堆肥と無化学農薬で栽培しているベリー園さんで、30年ほど前に前任者の方が栽培した農園を移住したご夫妻が引き継いで10年弱。

有機、土の微生物の力を借りて自然の営みの中で栽培する、素晴らしいけど一筋縄ではいかない農法。除草剤をまかずに機械や人手で草を刈り、虫の駆除は酢酸などを使用。でも、だからこそ、安心してそのまま食べることができる。

 

こちらの農園では9種類のラズベリーの他にブルーベリーとハスカップを栽培。ラズベリーは品種の違いで味も形も違うので、ジャム用、生食用とか分けながら収穫。

8月の今は最盛期、果実が輝いている感じ。

 

ラズベリーは赤だけでなく、黒や黄色も。ブルーベリーは色づき始めたところ。

ジャムにするにはしっかり熟したラズベリーを。計量した実と、実の1/3量の甜菜糖を銅ナベに入れて数時間ほど砂糖に馴染ませる。

 

火を入れて煮立ってきたら、ひたすらアク取り。結構アクが出る。

今回は裏ごしせずに果実丸ごといただくということで….種がいっぱい!ま、全ていただくということで良しとしよう。

ときいろファームさん、全国の百貨店さんの北海道催事に出店予定、今年の秋〜冬にかけて9ヶ所めぐるとのこと。お近くの百貨店さんでときいろファームさんを見かけたら是非立ち寄って見てください^^

白餡とフルーツケーキ

菓音で作るフルーツケーキには、白餡を生地に加えます。

バターよりも、小麦粉よりも、白餡が多いので、かなりの量だと思います。

だから、白餡が重要。

でも、十勝産の白餡が1kg単位では購入できず、十勝産の手芒豆や白花豆を買って炊いていたのですが、

そろそろ限界。

そんな時に知人の紹介で、帯広市内の「宮下製餡所」へ行ったところ、素晴らしい白餡が!

十勝産の手芒豆で作られた生餡です。

生餡とは砂糖を入れる前の状態のもので、甘さを調整できるのです。

白の生餡1kg、こんな感じです。

紙紐で丁寧にくくってあります。

こういう細かいところからも、モノづくりへの姿勢が伺えます。

白の生あんです。

十勝では恐らく宮下製餡さんのみのお取り扱い。

しかも1kgという小分けで購入できます。

砂糖を加えて炊くと、白餡になります。

本当はグラニュー糖だけで白く仕上げるのですが、コク(雑味)を入れたいので、上白糖(甜菜)を半分加えたので、

ちょっと赤みがかりました。

焼き上がりは良い感じです。

白餡をまぜることで、生地がしっとり、味に深みが出ます。

中身はこんな感じ。

仕上げに、十勝産のブランデー原酒を塗ります。

・・・宮下製餡所さんへ初めて伺いながら、工場見学を申し出ると、快く見せてくれました。

宮下製餡所さんは創業80余年という歴史を持ちながら、工場がとても奇麗でした。

しっかり掃除していて、機械もピカピカに磨いてあります。

いい商品が生まれる背景には、道具や工場の綺麗さやモノづくりへの姿勢があると思います。

身近にこんなに素晴らしい製餡所があることに驚き、改めて「良いものを作らねば」と思わされました。