「ロシア旅」カテゴリーアーカイブ

サンクトペテルブルク 交流事業・2(11/19)

11月19日、第三回ワーキンググループ会合。サンクトペテルブルク市政府庁舎で開催。警備が厳重でパスポート必須、荷物検査、身体検査・・・というセキュリティ。(北海道庁は入口のセキュリティチェックはなく、事務所の部屋まで勝手に行けてしまいます…)

 

10時から会合開始。北海道側・サンクトペテルブルク側で向かい合い、ロシア語・日本語の同時通訳がつきます。私はサンクトペテルブルク側の後ろの席へ。何人か報道陣の方々と共に。

 

会合は主に、北海道からサンクトペテルブルクへの技術協力について。

以下簡単に。
・保険医療:医療機関の技術提携、ロシアのMRI画像を北海道医療機関で分析、患者受け入れ
・文化:ロシア芸術の日本公演、日本文化のロシア公演
・観光:10月からサンクトペテルブルク・ビザ緩和ー電子ビザの発行/北海道(千歳空港、候補)に観光情報代表部を開設予定
・建築物改修:歴史的建造物、街並の保存、大規模なリノベーション/寒冷地住宅の技術提供
・廃棄物処理:サンクトペテルブルクの不分別ゴミ問題、リサイクルの取り組み

その他、スピポーツでの交流なども。

地方都市間とはいえロシアは政治的に若干難しい国という印象があります。EU圏とは少し違います。毎年法律が変わったり輸入へのハードルが高かったり。今回の会合も、国対国という印象がありました。

北海道庁国際課ロシアグループの櫻井局長の発言は明確。へりくだることなく、北海道ができる部分を伝え、無理難題は簡単に受けない姿勢に、グレーな発言やリップサービスは厳禁なのだと思い知りました。

最後にサンクトペテルブルク市のマルコフ副知事と北海道の中野副知事で調印式、握手。その後に無事にアートクッキーを贈呈することができました。(贈呈の様子はカメラを渡せず撮れませんでしたが、道庁職員の方の写真があれば、後からアップします…)

 

会合はここで終了。その後、場所を移動して昼食会へ。(続く)

 

サンクトペテルブルク 交流事業・1 (11/18)

11月18日〜23日、ロシア・サンクトペテルブルクへ滞在し、北海道庁主催の第三回ワーキンググループ会合・ワークショップに参加しました。

11月18日は移動のみ。フィンランド航空使用、ヘルシンキ経由でサンクトペテルブルクへ。空港で北海道庁国際課・ロシアグループの方々と共に市内へ。

初めて北海道の中野副知事をお会いしました。穏やかな雰囲気の方です。副知事は18日、19時にサンクトペテルブルクの空港着、翌日の会合へ参加し昼食を済ませて北海道へ戻られるというハードスケジュール。直行便がなく経由して片道12時間以上の移動時間で、滞在時間が約18時間!過密スケジュールの様子が伺えました。

 

2枚の贈呈用アートクッキーを手荷物で。ホテルまで無事に移動できて一安心。

写真のパスポートはサイズ感のため。A4くらいの大きさのアートクッキーです。サンクトペテルブルクのエカテリーナ宮殿、228年前の1791年、初めて大黒屋光太夫という日本人がエカテリーナ二世に謁見したという歴史があります。もう一枚は北海道庁赤レンガ庁舎。2枚をサンクトペテルブルク市へ寄贈します。

ロシア再訪・初夏の旅 5・ロシア伝統菓子・プリャーニク

先のロシア旅4のグム百貨店・ケーキに続き再びお菓子、ロシアの伝統菓子プリャーニクについて。

プリャーニク・英訳でジンジャーブレッド。ロシアのものは、ほぼこのような型押し、ソフトタイプ、アイシングがかなり薄めにかかっていて中にジャムやカラメルが挟まっているのが定番。

 

ロシアのものは、ほぼこのような型押し、ソフトタイプ、アイシングがかなり薄めにかかっていて中にジャムやカラメルが挟まっているのが定番。青と赤のパッケージのは工場メイドだけど恐らくロシアで有名というか一般的なもの。アエロフロートの機内菓子としても使われているもの。丸の透明フィルムで包まれているもので1個・日本円で約200円くらい。

日本にある味噌パン的な存在のような感じでしょうか。味噌が使われている訳ではないのですが、食感が似ていて日持ちすること、昔ながらの素朴なお菓子、という点で似ているなぁ、と。

 

プリャーニクをカットすると、こんな感じ。スパイスはあまり複雑なものはなくて、ジンジャーやシナモン程度な感じ。チェコはアニス他複雑な味わいなのだけどロシアはそこまで至らず?

チェコでペルニークというチェコ版ジンジャーブレッドを研究して、風味の豊かさやアイシングの繊細さに感動して学んで日本で再現していますが、プリャーニク・ロシア版ジンジャーブレッドは繊細なデザインはなくて、プリントされたものや大柄なデザインが多い。手仕事が共産主義で途絶えたのか、元々細か繊細な手仕事がなかったのか。今回の旅の結論としては、ロシアの伝統菓子プリャーニクは、昔ながらの素朴なお菓子的な存在、手仕事・アイシングの細かい技はなく、型押しの伝統タイプが主流ということが分かりました。ちょっと残念な気もするけれど・・・お菓子自体はとても美味しいもの。

スーパーマーケットに売られているプリャーニクは袋に20個くらいの5cmくらいのものが入って100円しないくらい、身近なお菓子です。味は日本の黒糖棒のような感じで、固めの少し甘いパンに砂糖衣がかかっているような・・・そんな感じのもの。

少し凝ったものとして、プリャーニクに固く薄いアイシングをかけてチョコレートを塗ったタイプが。これはチェコにはなかった!発見だけど、不思議な見た目で面白い。

ぱっと見、何か分からない物体。白くて表面がたまごの殻のようにマットな艶感、底にチョコレート。

チェコのような繊細なものは見つからなかったけど、別の面白いタイプを見つけたので、また他にもあるのかもしれない。また次回に色々探したいと思います。

ロシア再訪・初夏の旅 4・グム百貨店のケーキ

6月20日、スズタリからモスクワへ戻ったのは19時頃。クレムリン宮殿のある赤の広場へ。ここの時計が標準時間らしく、年の変わり目に毎年テレビで放送されるのがこの時計とのこと。時計の表示、19時過ぎでこの明るさ。

写真の広場正面がワシリー寺院、右にクレムリン宮殿、左がグム百貨店。グム百貨店わりと広い、3棟あり端から端まで結構歩く!真っ先に食品売り場へ。(国内外、色々な百貨店に行くけど、ファッションや宝飾売場は滅多に行かない…)

 

ロシアのパン、黒パンが多い。大好物、ドイツの黒パンとも少し違う気がします。モラセスを使っているのでしょうか。種類によって風味は違うけど、ほんのり甘くてもっちりズッシリ重くてお腹にたまります。写真のもので1個・日本円で約150〜200円くらい。街中のスーパーだと100円未満で買えますが、それでも安い!

ケーキも種類豊富、いろいろあります。ただ、ヨーロッパ各地のようなケーキと違い、共産主義後の資本主義になって彩り豊かになったので、伝統的なケーキという感じではなく。ケーキのお値段は1個・日本円で300円〜400円くらい。東京価格並み。(スーパーの工場メイドケーキはすごい安いけど)

ロシアの昔ながらのケーキに「カルトーシカ(картошка)」というものあり、意味は「ジャガイモ」。形はジャガイモに似せて、爪っぽいものが必ずついているのは、「芽」に似せたものなのかなぁ・・・と。

 

ジャガイモを使っている訳でななく、中身はスポンジやクッキーを砕いてお酒やクリーム、スパイスなどを加えて固めてココアをまぶしたもの(お店によってレシピは異なる)。素朴だけどお腹にたまるケーキです。

  

ロシアならではのお菓子にハルバ(халва)というものがあり、ヒマワリの種を粉末にして油脂と砂糖などを混ぜて固めたもの。プレーンタイプからフレーバー入り、ナッツ入り、色々。これを食べて思い出したのはベトナムの「バイン・ダウ・サイン」、風味や製法が似ている感じ。他にもロシアのお菓子でトルコのロクムに似ているものもあって、シルクロード付近、アジア圏の食文化が入っている様子。とても興味深いところ。

あと気になっていたメドヴィクという蜂蜜ケーキ。チェコでメドヴニークという名前でチェコ名物的な感じで売られていたケーキ。チェコ人に聞くと、「伝統菓子ではなく30年くらい前から出てきた割と新しいケーキ」「他国からチェコへ持ち込まれ作られるようになった」という話しも。

ロシアのメドヴィク、レストランのデザートについてきたものなのでシンプルタイプだけど。ケーキ屋さんでのメドヴィクを撮り損ねました、キャラメル色の薄いスポンジを何層も重ねて、間にバタークリームを塗ってケーキクラムをまぶしたもの。チェコでも製法や見た目はほぼ同じで。ロシアがルーツなのかな?甘党の方にはオススメのケーキでした。

ロシアのお菓子はヨーロッパ諸国と少し違う雰囲気があり、アジア圏の文化があり興味深いところです。

ロシア再訪・初夏の旅 3

6月20日、ロシア四日目。早朝にサンクトペテルブルクからモスクワへ空路で移動、さらにモスクワから東へ約180kmのウラジーミルという古都へ。モスクワの前に首都にもなったという都市。日本が奈良→京都→東京と首都が変わったのと同じようにロシアも首都が変わり、12世紀にウラジーミル=スズタリ公国の首都として栄えた都市。

大きな街を想像していたけど、のどかな田舎町という雰囲気、丘の上から望む景色。シベリア鉄道が見え、その向こうはシベリアが。

12世紀に建てられたロシア正教のウスペンスキー大聖堂。 この時期は菩提樹が満開、大聖堂の周辺は菩提樹が多く、甘い香り。菩提樹のはちみつが名産なのだとか。

 

この日の宿泊はロッジ。部屋やレストランが可愛らしい。

 

6月21日、ロシア5日目。ウラジーミルからスズタリへ、古都巡り。ウラジーミルから約26km、スズタリは現在は人口1万人ちょっとの待ち、ここに50以上の教会や修道院が。11世紀頃にできた商業の交易地として栄えた街、商人のグループ(民族?)ごとに教会を建てるようになり、たくさんの教会ができたのだとか。

  

木の教会があって意外でちょっと嬉しい。フィンランドにも木の教会があり、どこか似ているところがあるのかも。

  

スズタリにモスクワの美術大学の分校があって、イコン画を修復する高い技術を持っているのだそう。小さな街だけど、もっと調べたら面白い街のような気がする。

 

大聖堂の中、天井まで続くイコン画が壮大。5段に別れていてそれぞれに意味が。

教会近くの出店(ファーマーズマーケットというほどではなく生産者の直売店)が素敵で。ついでに観光用の馬車も。

 

スズタリの後、モスクワへ。クレムリン広場とグム百貨店への続きは4へ。