「ペルニーク」カテゴリーアーカイブ

初夏のチェコ・ペルニーク旅 5

6月2-3日、コレチュコヴァーさんのペルニーク取材を無事に終えてホッとしつつ、旅も最終。

3日の午前中はホテルから徒歩圏、同じプラハ7区にある老舗の洋菓子店へ。コーディネーターさんのご自宅へ行くのにケーキをお土産に、と。100年以上続くエルハルト洋菓子店はエルハルト家が作り続けているのだそう。

 

マジパンやシュガーを使った凝ったケーキも。生ケーキはg単位で販売されているのだけど、店員さんが1カットを適当にカットして計量、かなり大きくカットされるけど、「小さくしてー」という言葉が出てこなかった。

店内はイートンの席があって親子連れで食べている風景も。午前11時くらい、すごい混んでいる訳じゃないけどお客さんが途絶えることなくて、お店の人気度が伺えた。ケーキはプラハでは高め(高級なお店!)、お値段が東京の平均的なケーキ価格と同じくらい。マジパンやチョコレート、クリームがしっかりしていてやはり甘目だった!

 

コーディネーターさんのご自宅のあるイジーホ・ス・ポデェブラドという地区、閑静な住宅街で比較的高級な所。公園や教会があり、週末はファーマーズマーケットが開催されて新鮮で美味しい食材がたくさん並ぶ。近くにプラハの名所・テレビ塔も。観光地ではないプラハの日常、素敵な暮らしを少しだけ垣間見ることができた。

共産主義時代のチェコのこと、そして革命後の資本主義になってからのチェコのことを少しだけ聞くことができた。素晴らしい技術、素晴らしい文化が40年間の共産主義で途絶えてしまい失われたものは大きかった、と。そして、来年2019年で資本主義になってちょうど30年。これからもチェコ、プラハへ来て、資本主義としてどんな国になって行くのか、EUに加盟したチェコがユーロでなく自国通貨を守り続けて行くのか、経済や文化がどのように変わり、人が暮らしていくのか、見続けて行きたいと思う。

ペルニークから始まったチェコの旅は、まだこれからも続く。

宝石箱のような国をもっと知るために・・・。

初夏のチェコ・ペルニーク旅 4

3でチェスキークルムロフのことを書いてから、あっという間に2週間・・・!早く書かないと記憶も感動も薄れてしまうと慌てて書いています。

6月1日、料理研究家のコレチュコヴァーさんをプラハのコーディネーターさんのご自宅へご招待。というかご自宅をお借りしてペルニークの取材と実演を。コレチュコヴァーさんはプラハから200kmくらい離れたシュマヴァ地方という所から車で来てくださった。

相変わらず早口のチェコ語をコーディネーター兼通訳の横山さんがタイミングよく訳してくれる。コレチュコヴァーさん自身もペルニークを一つのレシピから研究して美味しく手軽に作れるようにしてレシピを増やしていった人。作り方や素材のコツを包み隠さず教えてくれる。そしてチェコの伝統的なこと、シュマヴァ地方にある素晴らしい花刺繍の民族衣装や陶芸のことなども。

私自身も、一年間日本でペルニークを作って販売してきたことをお伝えした。十勝産原料でライ麦も蜂蜜も手に入るけど、とても高価なので味に支障ない程度に配合を見直して何度も作り直して研究したこと、百貨店さんで販売したこと、特にプラハと姉妹都市の京都にある伊勢丹さんでクリスマスにチェコの伝統菓子・ペルニークとして販売できたこと。

そして日本でほぼ完成したレシピで、十勝産原料で作ったペルニークをご試食いただいた。

「コレは美味しい!いいレシピを完成させましたね」とのお褒めの言葉。本当に嬉しかった。このレシピでこれからもペルニークを日本で広めていこう!と改めて思い、良い意味でプレッシャーを感じることができた。

文字だけになってしまったけど・・・

写真は、コレチュコヴァーさんに作っていただいたペルニーク生地を一晩寝かせて翌日に再びコーディネーターさんのご自宅でペルニークを焼いてアイシングを。焼きたてはカリッとした食感だけど、少しずしっとりしてくる。

 

コーディネーターさんと旦那様がアイシング体験。子供に戻ったようにはしゃぎながら楽しんだ。チェコビールを飲みながら!とても暑い日だったので美味しかった!

  

チェコのお皿が可愛い。緑のアイシングは抹茶、お皿の色と合って素敵。

初夏のチェコ・ペルニーク旅 3

チェコ旅、三日目。チェスキークルムロフ、目的は一軒のペルニーク店。

3年前初めて観光で訪れて出会ったペルニーク、ここのお店のもの。繊細なアイシングと素敵なセンスのデザイン、柔らかい色合い。プラハのお店のどこよりも、ここチェスキークルムロフのお店のものが素晴らしかった。伝統的な抜き型のペルニークも。

今回訪ねてみて、その素晴らしさを再確認した思いだった。

 

入り口もショーウィンドウも素敵。店内のディスプレイや空気感も素晴らしい。

チョコレートがグレードアップ、種類も増えていた。全てが素晴らしいのだけど、価格もなかなかのもの。チェコの食品は日本の半分くらいの感覚で、プラハのペルニークも割と購入しやすい価格なのだけど、ここはプラハの2倍はすると思う。観光客価格もあるし、デザインの凝り方も価格に。商品への自信を感じてそれがまたすごい。

 

繊細なアイシングを施したペルニークのデザイン、3年前と昨年はほぼ同じデザインだったのに、今回は格段にデザインが進化していてビックリ。シャビーなデザイン、細かいサイク、相変わらず繊細なアイシング・・・あぁ、このお店のデザインには叶わない!心底思ったけど、日本で出来ること、十勝の素材で作れるものをしっかり作ろうと改めて思った。

 

旅のアレコレを少し。

チェスキークルムロフのホテル、昨年はホテル・ルゼだったけど今年は姉妹店のオールドイン。可愛らしいホテルで1Fがレストラン。朝食も広場を眺めながらのんびりと。ビュッフェスタイルで、パンやお惣菜が美味しいし、必ず置いてあるデザートもしっかり美味しい。

お昼の高速バスでプラハへ。車窓から見える景色はほぼ麦畑。たまに牧場、そしてオレンジの屋根の可愛らしい小さな街。

麦は十勝より半月以上早い感じ。ヒゲのない小麦系(?)とヒゲのある大麦(?)そしてライ麦っぽいもの。広大な畑が地平線まで続く。畝がなくて本当に一面畑。区画整理されている十勝の麦畑よりも壮大な・・・。

プラハへ戻り、夜のコンサートまで時間があったのでアンティークショップへ。目ぼしいものが見つからなかったけど、一つだけチェコの昔の刺繍エプロンがあった。懐かしい感じの花柄の。でもクレジットカード不可で現金の持ちわせが少なく断念。迂闊・・。

5月12日〜6月3日まで「プラハの春」という音楽のお祭りが開催されている。市民会館(アール・ヌーヴォー様式の美しい音楽ホール)で毎晩コーンサートが開催される。5月31日はプラハ音楽オーケストラの四季の演目。小さい方のホールで末席だけど2,500円、安すぎる。

 

ホテルへ戻ってワンピースに着替えて市民会館へ。チェコの音楽レベルは本当に高くて、終始身体に電気が走る。17世紀から音楽教育がなされ、共産主義時代もクラシック音楽だけは国の威信をかけて守り世界へ発信していたのだそう。

伝統菓子、芸術、音楽・・・チェコは宝石箱のような国だと思う。

 

初夏のチェコ・ペルニークの旅 2

プラハ二日目、昨年訪問したプラハ市内のペルニーク店へ。旧市街広場から徒歩10分くらいのところ、途中でお菓子とパン、惣菜の素敵なお店へ寄り道してながら・・・。

お目当のペルニーク店。入口の扉も看板も可愛い。店内も素敵。

 

オープンして2年目(確か、、)で新しいお店なので日本のガイドブックにまだ掲載されていない。…そもそもチェコ単体のガイドブックが1冊しかなくて、オーストリアやドイツと一緒になったチェコ本がほとんどだけど!

アイシングが施された可愛いペルニークは仕入れていて、ケーキ類はお店で作っているらしい。

チェコのペルニークの一つの特徴として、粉末にして料理にかけて食べる、という食べ方がある。スパイスが効いていて甘みがあるので、お粥やスープにかけたり伝統的なデザートのオボツネークネドリーキという果物を包んで茹でたクネドリーキにかけて食べるもの。このお店では、ちゃんと粉末ペルニークが売っている。しかも安い。粉にする手間がかかっているのに・・・!

 

今回はケーキのブラウニーとキャロットケーキを購入。チェコ然りヨーロッパではケーキを箱に入れずに袋に入れるので、当然形が崩れる。。。日本てケーキのお持ち帰りの丁重な包装すごいと改めて思う。

、、、でケーキ。ブラウニーは食べられたけど甘い。一番気になっていたキャロットケーキ、意外なほど合わなかくて、人生で初めて半分以上ケーキを残してしまった!ごめんなさい。

この日の夜にプラハからチェスキークルムロフへ。たった1件のペルニーク店へ行くために往復6時間のバス旅。でも3度訪ねてもやはり素敵な街でした。

 

街の灯りが温かい。

素敵な街の空気は、街を大切にする人々の想いなのだと改めて感じました。

 

 

初夏のチェコ・ペルニークの旅 1

今年も再びチェコへ。伝統菓子ペルニーク(英訳:ジンジャーブレッド)を巡る旅。

5月28日〜6月4日、プラハとチェスキークルムロフ。昨年お世話になったコレチュコバーさんに再びお会いして、家庭に伝わるペルニークの実演と食材や背景の話しをお伺いしたり、ペルニークのお店を再訪する8日間。

5月29日、午後1時にプラハ国際空港へ。ホテルへチェックインしてからお城の方へ。お城の近くから眺めるプラハの街。

お城の近くに2軒のペルニーク店があります。今回は時間が無いので職人技が素晴らしくデザインが美しいお店だけ。「伝統的なペルニーク」という名のお店でお母さんとお嬢さん2人で営業、お母さんが生地を作って焼き、お嬢さんがアイシングと絵付けを。生地のレシピは600年も前から家に伝わっていたものなのだそう。ここのお店のスパイスの味は独特、食感がソフトでしっとり。一度ハマるとやみつきいなる味わい。

食べるための飾りのないペルニークと、プレゼント用の可愛らしいアイシングを施したもの、オリジナルのオーダーメイド品を製作して販売。

 

お店を開業してまだ3年。昨年来た時と品揃えを変えずに相変わらず素敵なお店でした。