5月28日、ドレスデンにある「マイセン」のビジターセンター。
博物館や見学用の工房、カフェがあり、マイセンを堪能できる。
入り口には歴代のマイセンロゴが描かれた磁器板。
マイセンは、ヨーロッパで初めて硬質磁器を製作した窯。300年より前、中国や日本の白く艶のある硬質磁器がもてはやされていたが、ヨーロッパには製造技術がなかった。アウグスト強王は硬質磁器を輸入しコレクションするとともに、錬金術師ヨハン・フリードリッヒ・ベドガーを監禁し磁器製造の研究をさせる。
苦戦と失敗を繰り返し、ようやく1710年に磁器が完成しヨーロッパ初の硬質磁器窯「マイセン」が誕生する。
当時、錬金術師を監禁していたというお城がビジターセンターの近くに。磁器の製法は門外不出、王室で管理され、技術者たちも外へ出ることが許されなかったのだとか…。
ビジターセンターの見学用の工房は、作業工程ごとに説明してくれる。
お皿を見せてくれたスタッフさんの笑顔がチャーミング。
焼成前の磁器と、焼成後の磁器の見本も。展示の仕方も素敵。
絵付けの工程、色の出方の展示も美しい。
一番ココロ惹かれたお花のデコレーション。花びら一枚一枚を型に押し当て形づくる。様々な花が本当にきれいで、もうこの工程に釘付け。
マイセン博物館の中に展示されている多くの作品。伝統的なものからモダンなもの、日常のティーセットから巨大なオブジェまで、本当に素晴らしい。
ここでも、一番目に止まったのはお花のデコレーション。圧巻。大きな磁器壺、壺はどうでもいいんだけど、、、花が見事。しばし見とれて動けなかった!
パイプオルガン、木枠の中のパイプ部分が磁器でできている。
たまたま演奏時間に居合わせた。やさしい音。一般的なパイプオルガンのようなパイプ幅がないので音の深さはでないものの、自然の風の音のようなやさしい涼しげな音色だった。
磁器板に描かれた花。
「磁器で焼き付けて作られる、高度な技術でもここまで美しいものができる。ならば、アイシングクッキーでもっともっとスゴイ絵が描けるはず!」
何だか急にそんな想いになった。
久々にクッキーに描きたい!!そんな想いになった。
1Fのカフェ。マイセンの器でお茶とケーキを味わうことができる。今回は見るだけ…。
マイセン博物館、見応えがあった。
300年前に硬質磁器を作りたいと熱望した王様が居て、錬金術師たちの苦労があって、その後の美しい磁器を生み出す土壌があって、マイセンがある。
モダンな作品はよくわかなら行けど、花の繊細で美しい作品や細かい部品を何百個も組み合わせた巨大なオブジェは、緊張感に満ちている。簡単には生み出せないもの。そういうものが見れたこと自体、貴重な時間だった。