日別アーカイブ: 2016年9月22日

市場に出回らない「黄金のとうきび」

台風10号による被害、十勝管内にも色々ありましたが、大きな缶詰の製造工場が稼動できない状況になりました(これを書いている現在も)。

その工場では、国内産とうもろこし缶詰の75%のシェアを誇る規模の工場です。十勝管内の契約農家さんから収穫期に一気にとうきびを仕入れて即加工、新鮮なもぎたての粒が缶詰になるのです。

その工場が稼動できないため、契約農家さんのとうきびが収穫できず畑にすきこむしかない、のだそうです。(地元紙朝刊の一面の記事になりました)

 

工房のご近所の生産者さんから「加工用のとうきび」の情報をいただきました。加工用のものは、一般的なスイートコーンと違い、「モチモチした食感」「控えめな甘さ」「大粒」が特徴のようです。

早速、畑へお邪魔して「加工用とうきび」を10本ほどいただきました。粒が大きくて黄金色、本当にきれいです。レンジでチンして早速いただきました。

「オヤツというよりも食事になるとうきび」という感じ。

「昔食べた懐かしい味、それほど甘みはないけど、昔はこれが主流だった」という人もいました。

 

そんな「加工用とうきび」、一般に出回ることはなく十勝の生産地に居るから味わえた逸品でした。

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台風を超えて。

台風10号、そして16号により、亡くなられた方々へのご冥福をお祈りするとともに、大きな被害を受けられました皆さまに、心からお見舞い申し上げます。

 

私の暮らしている帯広市は、8月30日に台風16号が上陸。人命危うい被害は出なかったものの、一級河川の十勝川が危険水位に達し夜中に避難勧告が出ました。

朝になり、十勝管内での堤防決壊や畑への冠水、大きな食品工場への浸水による稼動停止など、少しずつ影響の全容が見えてきて台風の威力の大きさを痛感しました。

また、その後台風16号による東海や関西以西、九州地方での被害が大きく、本当に大変な夏だったと感じます。

 

自宅も工房も被災することはありませんでしたが、工房近くの橋が3箇所崩落、迂回しての通勤をしています。そのくらいで済んだことが有難いと思う状況。

ご近所の生産者さんの言葉、

「畑が冠水したくらいで大変って言ったら、他の地域の方に申し訳ない」

「全部収穫するまで諦めない」

と言われた言葉に勇気づけられました。

 

台風が来たことを大変、大変と伝えるのは違うし、伝え方にも細やかに配慮せねばと思う今日この頃ですが、被災の現状を伝えることも大切と思っています。

地方の小さな市町村での被災は、首都圏よりも時間がかかります。復旧への対策費や人手が回らない、人口密度が少なくインフラの使用者が少ないなどの要因がありますが、報道されないことで知られていない、ということも大きのかなと、今回の台風の被害を受けて思いました。

日本各地で地震や台風の被害がありすぎて、どうしたものかと思う日々ですが、それでも気持ちだけでも「台風を超えて」いかねばなりません。

 

十勝はもう秋の気配です。朝晩は冷え込みます。紅葉もそろそろ、です。

冬の支度に向けて、菓音も年末のギフトシーズンに向けて頑張って参ります。

 

きっと数年は復旧の見込みなしと言われた橋の様子…。どうしたらこんな穏やかな川の橋が落ちるのだか>_<

通勤道の通行止めも長引きそうです。

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