月別アーカイブ: 2016年9月

市場に出回らない「黄金のとうきび」

台風10号による被害、十勝管内にも色々ありましたが、大きな缶詰の製造工場が稼動できない状況になりました(これを書いている現在も)。

その工場では、国内産とうもろこし缶詰の75%のシェアを誇る規模の工場です。十勝管内の契約農家さんから収穫期に一気にとうきびを仕入れて即加工、新鮮なもぎたての粒が缶詰になるのです。

その工場が稼動できないため、契約農家さんのとうきびが収穫できず畑にすきこむしかない、のだそうです。(地元紙朝刊の一面の記事になりました)

 

工房のご近所の生産者さんから「加工用のとうきび」の情報をいただきました。加工用のものは、一般的なスイートコーンと違い、「モチモチした食感」「控えめな甘さ」「大粒」が特徴のようです。

早速、畑へお邪魔して「加工用とうきび」を10本ほどいただきました。粒が大きくて黄金色、本当にきれいです。レンジでチンして早速いただきました。

「オヤツというよりも食事になるとうきび」という感じ。

「昔食べた懐かしい味、それほど甘みはないけど、昔はこれが主流だった」という人もいました。

 

そんな「加工用とうきび」、一般に出回ることはなく十勝の生産地に居るから味わえた逸品でした。

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台風を超えて。

台風10号、そして16号により、亡くなられた方々へのご冥福をお祈りするとともに、大きな被害を受けられました皆さまに、心からお見舞い申し上げます。

 

私の暮らしている帯広市は、8月30日に台風16号が上陸。人命危うい被害は出なかったものの、一級河川の十勝川が危険水位に達し夜中に避難勧告が出ました。

朝になり、十勝管内での堤防決壊や畑への冠水、大きな食品工場への浸水による稼動停止など、少しずつ影響の全容が見えてきて台風の威力の大きさを痛感しました。

また、その後台風16号による東海や関西以西、九州地方での被害が大きく、本当に大変な夏だったと感じます。

 

自宅も工房も被災することはありませんでしたが、工房近くの橋が3箇所崩落、迂回しての通勤をしています。そのくらいで済んだことが有難いと思う状況。

ご近所の生産者さんの言葉、

「畑が冠水したくらいで大変って言ったら、他の地域の方に申し訳ない」

「全部収穫するまで諦めない」

と言われた言葉に勇気づけられました。

 

台風が来たことを大変、大変と伝えるのは違うし、伝え方にも細やかに配慮せねばと思う今日この頃ですが、被災の現状を伝えることも大切と思っています。

地方の小さな市町村での被災は、首都圏よりも時間がかかります。復旧への対策費や人手が回らない、人口密度が少なくインフラの使用者が少ないなどの要因がありますが、報道されないことで知られていない、ということも大きのかなと、今回の台風の被害を受けて思いました。

日本各地で地震や台風の被害がありすぎて、どうしたものかと思う日々ですが、それでも気持ちだけでも「台風を超えて」いかねばなりません。

 

十勝はもう秋の気配です。朝晩は冷え込みます。紅葉もそろそろ、です。

冬の支度に向けて、菓音も年末のギフトシーズンに向けて頑張って参ります。

 

きっと数年は復旧の見込みなしと言われた橋の様子…。どうしたらこんな穏やかな川の橋が落ちるのだか>_<

通勤道の通行止めも長引きそうです。

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9月16日は「マッチの日」

マッチ棒クッキーを作る菓音にとって「マッチの日」は気になる日。

1948年に配給制だったマッチの自由販売が認められた日なのだそう。

 

先日、東京・有楽町にある無印良品さんへ立ち寄ると、デザイン書籍の中に「マッチの気もち」という安野光雅さんが執筆された一冊を発見。

全て手がきの温かみあるイラストと直筆の文字、全てのページにマッチ棒たちの可愛らしい姿が。装丁も素敵だったので迷わず購入。気持ちにポッと明るさを灯してくれるような、でもマッチが消えゆく切なさを感じる一冊。

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マッチという小さなアイテムが愛らしい。

それだけの理由ではないけれど、無くしたくない日本の産業だと思う。

ウチの製造量なんて微々たる量だけど、これからもマッチ棒クッキーを作り続けたい。

そうそう、もう少ししたら新しいデザインのマッチ箱が出来上がる予定。来年のバレンタインで都内百貨店さんのWEB案内に決定したので、全国からご購入いただけることに!嬉しい限り。

これからも、少しずつマッチとともにお菓子を作り続けよう。

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札幌「マルシェ・ドゥ・グルニエ」へご来店の感謝

9月3~4日に出店させていただきました、札幌プランテーションさんのマルシェ、

「マルシェ・ドゥ・グルニエ」二日間楽しく過ごすことができました。

ご来店くださった皆様、森彦さんのフタッフの皆様、有難うございました!

 

8月30日の台風の影響で、一時札幌〜十勝が寸断、JRも一般道も高速も不通でした。二日後に高速道路が開通、唯一の交通手段。しかし、運送会社さんも荷物の遅延のため、作ったお菓子を運べるだけスーツケースに詰めて、9/3の始発のバスで札幌へ。

多くの方から「大丈夫でしたか?」というお声をいただき、心温まる思いでした。

本当に本当に有難うございました。

 

工房も自宅も被災することはありませんでしたが、周辺の農家さんの畑が冠水したり、小さな道路や橋は破損したところもあり、未だに修復されていないところもあります。ニュースになっていない十勝の農業・設備被害は甚大、これから冬にかけて全国の野菜不足や高騰が心配されます。

 

9月4日はマルシェの閉店よりも先に、2時半に店じまいさせていただき、早めに十勝へ無事に戻ることができました。

これを書いている9月14日、今もJRと一般道は復旧せず、おそらく1ヶ月以上かかる見通し。十勝の新得町、清水町は浸水による被害が大きく、今も復興中です。

冠水した畑の水がなかなか抜けず、次の農作業にかかれないという声も聞きます。

もしかしたら来年の作物にも影響が出るかもしれない、とも。

 

今の自分にできるのは、今いただいているご注文をとにかく作って十勝産素材を伝えることと、過剰でない範囲で十勝の現状を少しずつお伝えすることかな…と。

 

マルシェへご来店くださった方へのお礼のメッセージが、、台風のことになってしまいましたが、、、心温まる二日間でした。

本当に有難うございました。

 

森彦さんのプランテーション、素敵なカフェです。

自家焙煎の珈琲が美味しいこともあるせいか、スコーンやブラウニーなどの焼き菓子が好評でした。

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