今日は人生初の小麦収穫体験 in 前田農産さんにて。
この歳で人生初ってなかなかない分、初ものの感動は大です。
巨大なコンバインで黄金色の小麦をバリバリと刈っていきます。
抜けるような青空、風も吹いていて絶好の収穫日和。
でも、1週間ほど前に嵐で結構麦が倒れていました。
収穫前に倒れると、穂先が重くて起き上がれずに、刈り取り作業が難しいのだそう。
コンバインの中から見るとこんな感じ。
寝ている穂を下からすくい上げて刈り取るという感じ。
土をすくわないように、でも出来るだけ多く寝た穂を刈り取る…かなり難しい技です。
「小麦を生産する」ということの中に、どれだけ沢山のことが詰まっているのかを思い知らされます。
刈り取り一つとっても、快晴ならいいけれど、雨天のときは状況が変わるし、
天気良ければ、一気に夜中を徹して収穫しなくてはならない。
嵐で穂が倒れたら、その状況に合わせて慎重に刈り取る、同じ状況ってことはなくて毎年違う。
収穫時に最良の小麦になるように育てる、それまでの工程も本当に奥が深い。
しっかりした茎(体)を作ることで、養分をしっかり土から吸い上げて、いい小麦ができる。
でも、同じ十勝・本別町の中でも、畑によって、土質の違い、水はけの違い、気温や日当たりの違いで、
小麦にいろいろな違いが出てくる。それを見極めながら堆肥を入れて育てていく。
収穫が終わると、乾燥庫に入れて水分11%代~12%くらいになるまで乾燥させる。
その後、前田農産さんの場合は、自社内で「調整」といってダメな小麦をはじいたり、モミや茎などのゴミを取り除く作業を行うのです。
いつも目にしている小麦粉、粉になる小麦の状態に辿り着くまで、
どれだけの労力がかかっているのか、なかなか想像し難いです。
今日は、収穫のワンシーンだけを垣間見て感動していたけど、
育てるところから、収穫、そして粉にする手前の調整段階の小麦にするまで、
果てしなく長い工程を経て、そこから製粉されて、私たちの手元に届く…
小麦粉って、その背景にどれだけ手間がかかっているのか思い知らされる。
そんな風に思える体験ができる十勝にいること、
十勝に前田農産さんがいて、繁忙期なのに収穫体験させてくれる、
この状況に感謝、感謝です。
今日の収穫は、「春よ恋」、春まき小麦でパン用粉になる小麦です。
前田農産さんでは、他にも春きらり、キタノカオリ、きたほなみなど、
大規模農場の十勝ではありえないくらいの、多品種生産者なのです。
菓音も、もっと小麦の特性を知って伝えられるように、がんばらなくては!