ペルニークを求めて初夏のチェコへ 9 (書籍Perníkyの著者)

6月5日の午後、書籍Perníkyの著者であるクヴィェタ・コレチュコヴァーさんとカフェでお会いすることに。

Perníkyは昨年のチェコで購入したチェコ語のレシピ本。チェコ語なので写真を見るだけだったものの、歴史や原材料、レシピなど幅広く記載されている書籍。私にとっては唯一の教科書ともいえる大切な書籍。その著者に会えることが本当に嬉しかった。

 

クヴィェタ・コレチュコヴァーさんは60代後半くらいの魅力溢れる女性。コーディネイターYさんからの事前の連絡で「甲賀さんの黒地の花柄のデザインに非常に興味を持たれている。彼女の製作する陶器に同じような黒地の絵柄の作品がある」といただいた。

旅の直前にコレチュコバーさんの書籍のレシピを2種類、google翻訳で原材料名を訳して試作。生地の水分量とスパイスの種類・分量はかなり適当!それでもペルニークに近いものができ、写真のものをコレチュコバーさん用に包装して持参。

 

昨年ペルニークを知り、美しいデザインとスパイスの香り、味に魅了されたこと、お土産に買ったのに旅行中に食べてしまったこと、そして書店にあったPerníkyの本を購入。ペルニークは単に美味しいお菓子でなく伝統のあるお菓子であることを知ってますます興味を持ったことをお伝えした。

コレチュコバーさんは通訳Yさんの言葉に大きく頷きながら嬉しそうに微笑んでくれて、私自身も心が熱くなった。

 

コレチュコバーさんは村のおばあさんのレシピを知り、ペルニークに興味を持ったけれど誰も教えてくれなくて一人レシピ開発をしたのだそう。何度も試作して、作りやすいレシピを開発したとのこと。

ご自身で苦労しながらレシピ開発したこともあり、今回お会いして本当にたくさんのことを教えてくれた。生の生地を作って持参していただき、生地の状態や小麦粉やスパイスのことを一つ一つ丁寧に教授してくれた。

チェコと十勝の小麦の違いも感じた。ライ麦についてはチェコで購入してみて、とラベルを渡され、最終日になんとか購入!どんな違いかはまたこれから試作してみて、なのですが・・・。

 

師匠がいない私にとってコレチュコバーさんの存在は本当に大きい。レシピや作り方を教えてくれるだけでなく、おばあちゃんから受け継ぐ家庭のおやつとしてのあり方を教えてくれたこと。そしてペルニークだけでなく陶芸作家としても活躍しながら、地域の素材を生かしたお菓子の本を製作中、日々レシピを開発していること、お忙しそうな様子だけど人生を謳歌している空気が伝わってきて人間としての魅力を感じた女性だった。